KYO:007
交響詩《曼陀羅の華》
Symphonic Poem“Madara No Hana”
演奏時間:07'40''
編成:3 Fl. - Pic.- 2 Ob. - E.hrn. - 2 Cl.in Bb - Bass Cl.in Bb - 2 Bn. - Ten. Sax. - 4 Hrn(in F) - 2 Trp.in Bb - 3 Trb.- Tuba. - Timp. - Hrp. - Bass Drum - Cymbal - Tam tam - Triangle - 5 Strings
スコア&パート譜:6,000円(税別)で東京ハッスルコピーより販売中
ミニチュアスコア(販売):1,000円(税別)
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[楽曲解説]
交響曲「かちどきと平和」を作曲した翌年の1913年、山田は音楽院の課題としてでなく、自身の創作の欲求に従って二作の交響詩を編む。 それが《暗い扉》と《曼陀羅(まだらと読む)の華》である。交響曲「かちどきと平和」が古典的で明快な音楽であったのとはがらりと趣向を変え、 ここではリヒャルト・シュトラウス風の大規模な管弦楽を駆使した、ほの暗い色彩の前衛的な音楽を描き出している。 おそらく交響曲作曲時も彼の中にはすでにこうした音楽の下地はでき上がっていたのだろう。 二つの交響詩はかなり短期間のうちにほぼ同時に着手、完成させている。 この二作品のうち《曼陀羅の華》は帰国直後に交響曲《かちどきと平和》とともに初演され、その後も比較的取り上げられる機会の多かった作品である。 これは《暗い扉》が4管を基本とする大編成なのに比べて、《曼陀羅の華》では編成だけでなく全体の構成もシンプルにまとまっていることもあるのだろう。 それにしてもこれほどまでに斬新な発想を持った日本人がこの時代にいたことに驚かずにはいられない。