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KYC:008
弦楽四重奏曲ヘ長調、ハ短調(第1,3番)
価格:2,400円(税別)
[楽曲解説]
山田耕筰がドイツ留学前の1908年に手がけた3曲の弦楽四重奏曲のうち、未完成に終わった2作をまとめたのが本作品集。 第1番ヘ長調は自筆総譜の扉に山田自身によって「Unfinished(未完成)」と書かれており、第3楽章までで作曲を放棄してしまったらしい。ただし、完成している楽章は習作期でありながらよく練り上げられており、唯一の完成作である第2番と全く遜色ない完成度を見せている。なお、第3楽章のメヌエットも残された資料の不備から、トリオ部分のヴィオラのパートが欠落しているが、第3楽章までの演奏は一応可能である。 第3番ハ短調については、単一楽章として一応完成されているが、現存する資料(発見されているのがパート譜のみ)に不備があり、第1ヴァイオリンの後半部分が欠落してしまっている。シューベルトの弦楽四重奏曲「死と乙女」を思わせる激情的な音楽であり、3曲の中で最も先進的かつ特徴的な音楽であっただけに非常に残念でならない。が、ソナタ形式の提示部に当たる部分だけでの演奏も可能であり、その部分だけでも山田が本作に込めた思いがひしひしと伝わってくる。
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[楽曲解説]
山田耕筰がドイツ留学前の1908年に手がけた3曲の弦楽四重奏曲のうち、未完成に終わった2作をまとめたのが本作品集。
第1番ヘ長調は自筆総譜の扉に山田自身によって「Unfinished(未完成)」と書かれており、第3楽章までで作曲を放棄してしまったらしい。ただし、完成している楽章は習作期でありながらよく練り上げられており、唯一の完成作である第2番と全く遜色ない完成度を見せている。なお、第3楽章のメヌエットも残された資料の不備から、トリオ部分のヴィオラのパートが欠落しているが、第3楽章までの演奏は一応可能である。
第3番ハ短調については、単一楽章として一応完成されているが、現存する資料(発見されているのがパート譜のみ)に不備があり、第1ヴァイオリンの後半部分が欠落してしまっている。シューベルトの弦楽四重奏曲「死と乙女」を思わせる激情的な音楽であり、3曲の中で最も先進的かつ特徴的な音楽であっただけに非常に残念でならない。が、ソナタ形式の提示部に当たる部分だけでの演奏も可能であり、その部分だけでも山田が本作に込めた思いがひしひしと伝わってくる。