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哀愁の日本/Chanson Triste Japonaise
荒城の月/Song Of The Ruined Castle


価格:800円(税別)

[楽曲解説]

「哀愁の日本」
 1921年に初来日した、当時の名ヴァイオリニスト、ミッシャ・エルマンのために書いた作品。 来日歓迎の宴の晩、同室で寝泊まりした山田は「光のうちに漂う哀愁……」と幾度もつぶやくエルマンの声を聴く。 やがてエルマンは山田にこう言う。 「他のいかなる接待よりも作曲家である君が自分に作品を書いてくれることこそ、 自分が東洋における初めての演奏旅行の最高の記念にふさわしい贈り物だ」と。
 山田は翌日の午後にはこの作品を完成させたというが、 この作品の根底に流れているのはエルマンが深夜に独りつぶやいていた「光のうちに漂う哀愁……」という言葉であったという。 タイトルは「哀愁の日本」となっているが、日本民謡を大々的に使っているわけではなく、後期ロマン風の非常に密度の濃い音楽である。 ヴァイオリン・パートもオクターヴ奏法などを駆使した弾きごたえのある内容となっている。

「荒城の月」
 山田耕筰は滝廉太郎について「我が国最初の作曲家」と最大限の讃辞を送っていた。 「荒城の月」については、旋律しかなかったオリジナルに伴奏を付けた他、「哀詩/荒城の月を主題とする変奏曲(1917年作曲)」などのパラフレーズを生み出している。 このヴァイオリンとピアノのための「荒城の月」も、そうしたパラフレーズの一つで、1928年に書かれた。 ヴァイオリンのカデンツァによる序章から始まり、ピアノにもヴァイオリンにも相応のテクニックが要求されるが、楽曲の奥ゆかしい情緒は特筆ものである。

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